優しい彼

朝起きて、昨日のお礼メールを送る。
『次のデートはいつにしようかな』
そんな返事がすぐに送られて来た。

私は『次』という言葉に弱い。
過去に相手のいる人と恋愛をしていた
頃の癖と言うか何と言うか…

次の約束が出来るのはとても嬉しい
事だったのだ。

今日は私も出勤日。
小雨が降り始めた頃、駐車場に着く。
するとKさんからメール。

仕事中は彼に怒られつつ、胃を痛く
させながら頑張った。

胃を痛くさせた原因はそれだけじゃなぃ。

最近仲間に加わったSTAFFの一人が
私達の関係を知っている風な口調で
私に接してきた事。

腹が立った。
私の勘違いでなければ彼が話したのだろう。

まったく！
あのカミングアウトした日、私がどれだけ
怒ったか忘れてしまったのだろうか…

終わってから更に今日が初日だった新人君と
みんなで遊んだ。
途中Kさんが現れたのだけど、彼が仕事から
上がってくるなりいつの間にかいなくなってしまった。

彼がせっかく普通に声をかけているのに
どうしてあんなムッとした態度をするのだろう。
いい加減彼もキレそうな感じ。

Kさんの気持ちは嬉しいけれど、それに応えられない
事はとっくに伝えてあるし、何より今まで通りで
いてもらいたいと心から願っているのだ。

無理なのかな…
無理ならもう現れないで欲しい。
そうまで思う。

雨の中、彼より一足先に帰宅。
家に着く直前に泣き顔メールが届いた。

『バラシタから…』と意地悪なメールを
送るも、その後数回のメール交換。

彼は優しい。
人が変わったように優しい。